「結婚相手の決め手って何だと思う?」そんな何気ない会話から始まった、男女の価値観バトル。今回は結婚観について本音でぶつかり合う二人の対談をお届けします。
登場するのは、都内のIT企業で働く28歳の健太と、同じく都内で美容関係の仕事をしている26歳の美咲。お互い結婚を意識する年齢になって、友人として率直な意見を交わし合います。
「男って結局、見た目と家庭的かどうかでしょ?」
美咲がコーヒーを飲みながら、いきなり核心を突いてきました。
「ちょっと待てよ」健太が苦笑いしながら反論します。「そんな単純じゃないって。確かに最初は外見も大事だけど、結婚となると全然違う基準になるんだよ。僕が一番重視するのは『安心感』なんだ」
「安心感?具体的には?」
「例えば、仕事で嫌なことがあった日に家に帰って、彼女がいるだけでほっとできる。無理に話を聞いてもらおうとか、慰めてもらおうとか思わなくても、ただそこにいてくれるだけで心が落ち着く。そういう存在かどうかが決め手になるんじゃないかな」
健太の真剣な表情に、美咲も少し考え込みます。
「なるほど、それは分かる気がする。でもさ、女性の立場から言わせてもらうと、『安心感』って言葉だけじゃ生活できないのよ。私たちが結婚で一番心配なのは経済面。子どもができたら仕事をセーブしなきゃいけない可能性もあるし、その間の生活を支えてくれる経済力があるかどうかは超重要」
「でも経済力って言っても、年収がいくらあればいいとか、そういう話?」
「そんな単純じゃないわよ」美咲が身を乗り出します。「年収の額面だけじゃなくて、将来を見据えた貯蓄プランとか、万が一の時のリスク管理ができているかとか。要するに『この人となら安心して家庭を築ける』って思えるかどうかなの」
健太がうなずきながら答えます。「確かにそれは大事だね。でも男性側から見ると、経済力ばかり求められるのもプレッシャーなんだよ。僕だって完璧じゃないし、将来どうなるか分からない部分もある。だからこそ、一緒に頑張っていけるパートナーが欲しいんだ」
「一緒に頑張るって、具体的には?」
「例えば、僕が転職を考えた時に『大丈夫、私も働くから』って言ってくれるとか、家計のやりくりを一緒に考えてくれるとか。要するに自立している女性がいいんだよね。依存されるのは正直しんどい」
美咲が少しムッとした表情になります。「でも『自立している女性がいい』って言いながら、結局は家庭的な一面も求めるんでしょ?料理ができるとか、掃除が得意とか」
「うーん、それは誤解だな」健太が手を振ります。「別に完璧な家事スキルを求めてるわけじゃない。でも『二人で暮らしていく』っていうイメージが持てるかどうかは大切だと思う。料理が苦手でも一緒に作ろうとしてくれるとか、部屋が散らかっても一緒に片付けようって思えるとか、そういう協力的な姿勢があれば十分だよ」
「それなら分かる」美咲の表情が和らぎます。「でも男性にも同じことを求めたいのよね。家事は女性の仕事っていう古い考えじゃなくて、お互いに協力し合える関係がいい」
「もちろん!僕も家事はできる限りやりたいと思ってる。ただ、女性が男性に求める『優しさ』とか『思いやり』って、具体的にはどういうことなの?」
美咲が考えながら答えます。「例えば、私が疲れて帰ってきた時に『お疲れさま、大丈夫?』って声をかけてくれるとか、何も言わなくても飲み物を用意してくれるとか。小さなことだけど、そういう気遣いがあると『この人は私のことを大切に思ってくれてるんだな』って感じられるの」
「なるほど、それは男性にとっても嬉しいことだよね。僕も同じように気遣ってもらえたら嬉しいし」
「でもここで重要なのは、お互いの価値観が合うかどうかよね」美咲が核心を突きます。「例えば、お金の使い方。私は将来のために貯金をしっかりしたいタイプだけど、相手が『今を楽しむために使いたい』タイプだったら、絶対にうまくいかない」
健太も深くうなずきます。「そうそう、それ!僕も同じことを思ってた。休日の過ごし方とか、子育ての考え方とか、人生の優先順位が似てないと難しいよね」
「特に子どもの話は重要よね」美咲が真剣な表情になります。「子どもが欲しいか欲しくないか、何人欲しいか、教育方針はどうするか。結婚してから『実は子どもは欲しくなかった』なんて言われたら大変よ」
「確かに。でも逆に女性は『将来設計への積極性』を求めるって言うけど、男性だって不安なんだよ」健太が少し困った表情を見せます。「将来のことなんて、正直分からない部分も多いし、完璧なプランなんて立てられない」
「でも、少なくとも一緒に考えようとする姿勢は欲しいのよ」美咲が説明します。「『分からない』で終わりじゃなくて、『分からないから一緒に考えよう』って言ってくれる人がいい。女性は『一人で全部背負わなくていいんだ』って安心したいの」
「それは分かる。僕だって一人で全部決めるのは嫌だし、パートナーと一緒に考えていきたい」
二人の会話が深まってきたところで、美咲が新しい話題を提案します。
「ところで、結婚前に確認しておくべきことって何だと思う?」
「うーん、やっぱりお金の話は避けて通れないよね」健太が答えます。「収入や貯金額、借金の有無、将来の家計管理の方法とか。恋人同士の時はなかなか話しにくいけど、結婚となると絶対に必要な話だと思う」
「そうね。私も実際に付き合った人と家計のシミュレーションをエクセルで作ったことがあるの」美咲が体験談を話し始めます。「最初は『そこまでする?』って思われるかなと心配だったけど、数字で見えるようになったら、お互いの不安が消えたのよね」
「それいいね!僕も今度やってみようかな」
「あと、家事の分担も大事よね」美咲が続けます。「『家事は女性がやるもの』っていう先入観を持っている男性もまだいるから、結婚前にしっかり話し合っておかないと後でもめるのよ」
「確かに。僕の友人で、結婚後に奥さんから『家事を手伝ってくれない』って愚痴られてる人がいるけど、本人は『手伝ってるつもり』なんだよね。そういう認識の違いは怖い」
「『手伝う』っていう発想がもうダメなのよ」美咲が苦笑いします。「家事は二人の生活のためのものだから、『分担する』が正しい考え方よね」
「その通りだ。僕も気をつけよう」
健太が反省している様子を見て、美咲が話題を変えます。
「親族関係の距離感も重要だと思うの。特に結婚式の準備をしている時って、両家の価値観の違いがはっきり出るのよね」
「ああ、それは聞いたことがある。うちの先輩が結婚式の準備で、招待客の人数で両家がもめたって言ってた」
「そうそう!私の友人も同じような経験をしてるの。でも最終的には両家でちゃんと話し合って、お互いが納得できる形に落ち着いたって言ってた。大事なのは、最初から『うちの家のやり方』を押し付けるんじゃなくて、話し合いを重ねることよね」
「確かに。結婚って二人だけの問題じゃないからね。家族同士の付き合いも考えないといけない」
健太がしみじみと言うと、美咲も深くうなずきます。
「でも一番大事なのは、コミュニケーションの取り方かも」美咲が核心を突きます。「どんなにお互いを理解していても、ケンカすることはあるでしょ?その時にどうやって話し合うか、どうやって解決していくかを事前に決めておくといいと思うの」
「例えば?」
「例えば、感情的になった時は一度冷却期間を置くとか、第三者に相談する場合のルールとか。あと、絶対に言ってはいけない言葉とかも決めておくといいかも」
「なるほど、それは大事だね。僕は興奮するとつい言いすぎちゃうタイプだから、そういうルールがあると助かる」
「あと、住む場所の話も重要よね」美咲が続けます。「都市部のマンションがいいか、郊外の一戸建てがいいか、将来的に親と同居する可能性があるかとか」
「それは価値観が分かれるところだよね。僕は通勤を考えると都市部がいいけど、子育てを考えると郊外の方がいいのかなとも思うし」
「私も同じような悩みがあるの。仕事を続けるなら都市部の方が便利だけど、子どもの教育環境を考えると選択肢が広がる郊外も魅力的よね」
二人が真剣に話し込んでいると、美咲がふと思い出したように言います。
「そういえば、最近友人から聞いた話なんだけど、月に一度『ふたり会議』をしている夫婦がいるのよ」
「ふたり会議?」
「そう。家計の状況とか、今月あった嬉しいこととか、不満に思ったこととかを定期的に話し合うの。問題が大きくなる前に小さなズレを修正していくんだって」
「それはいいアイデアだね!確かに、小さな不満が積み重なって大きなケンカになることってあるもんね」
「でしょ?私もいつかパートナーができたら、そういう習慣を作りたいと思ってるの」
健太が少し照れながら言います。「僕も将来の奥さんとは、そういう関係を築きたいな」
「あら、『将来の奥さん』って、もう候補者がいるの?」美咲がいたずらっぽく笑います。
「いや、そういうわけじゃないけど」健太が慌てて否定します。「でも今日話してて思ったのは、結婚って本当に相手選びが大事だなってこと。見た目や条件だけじゃなくて、価値観とか人生観とか、もっと深い部分での相性が重要なんだね」
「そうね。私も今日話してて、男性の考えていることがよく分かったわ」美咲が真剣な表情で答えます。「男性も女性も、結局は『安心して一緒にいられる人』を求めてるのよね。ただ、その『安心』の定義が少し違うだけで」
「男性にとっての安心は、精神的な支えになってくれることや、自分らしくいられること」健太が整理します。「女性にとっての安心は、経済的な安定や将来への不安を共有してもらえることなんだね」
「でも、どちらも間違ってないと思うの」美咲が続けます。「大事なのは、お互いの求める『安心』を理解して、それを提供し合える関係を作ることよね」
「そのためには、やっぱり話し合いが大事だね。今日みたいに本音で話せる関係じゃないと、結婚しても長続きしないと思う」
「本当にそう思う。私も今度付き合う人とは、もっと深い話をしてみようかな」
二人の会話は、お互いの理解を深める良い機会となりました。最初は男女の違いを強調していた二人でしたが、話を重ねるうちに、実は求めているものの根本は同じなのだということに気づいたのです。
男性が求める「安心感」「尊敬できる部分」「家庭的な一面」「価値観の一致」「自立」と、女性が求める「経済力・安定性」「信頼関係」「将来設計への積極性」「優しさ・思いやり」「家族との調和」は、表現は違えど、すべて「お互いを支え合える良いパートナーシップを築きたい」という共通の願いから生まれているのです。
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