最近SNSでも話題になることが多い「デート代問題」。おごる、おごられる、割り勘──一見シンプルな話のようで、実は男女の価値観が激しくぶつかり合うテーマでもあります。今回は、リアルな恋愛経験を持つ男性と女性に集まってもらい、それぞれの本音をぶつけ合ってもらいました。
登場するのは、会社員の健太さん(33歳)と、同じく会社員の美咲さん(27歳)。二人とも恋愛経験豊富で、デート代について一家言ある様子。さっそく、白熱した議論が始まりました。
「正直、おごりたくない女性っているんです」
健太が切り出したのは、やや重たいテーマでした。
「僕、別におごること自体が嫌なわけじゃないんですよ。でも、正直言って『この人にはおごりたくないな』って思う女性は確実に存在します」
美咲が少し眉をひそめます。「それってどういう女性なの?ケチな男性の言い訳に聞こえるけど」
健太は首を横に振りました。「ケチとかじゃなくて、もっと根本的な問題なんです。例えば、付き合い始めた頃にデートした女性がいたんですけど、毎回高級店を指定してくるんですよ。で、僕が『今日は気軽なカフェでも』って提案すると、『えー、せっかくのデートなのに』って露骨に不満そうな顔をする。そういう態度を見ると、正直冷めちゃうんです」
「でも、女性だって特別な時間を過ごしたいじゃない」
美咲がすかさず反論します。「私たち女性は、デートのために美容院行って、洋服買って、メイクも気合い入れてるわけ。男性だって、デートの時くらい良いところ見せたいでしょ?高級店を選ぶのは、それだけあなたとの時間を大切にしてるってことよ」
健太は苦笑いしながら答えます。「その気持ちは分かるんです。でも、それを『当然』だと思われると困るんですよ。僕が経験した中で一番きつかったのは、食事が終わって会計する時に『ありがとう』の一言もなく、次は◯◯のお店に行きたいって言われた時です。まるで自分が単なるATMになった気分でした」
「男性のプライドの問題でしょ」
美咲は少し熱を帯びた口調で続けます。「男性って、おごることで優位に立ちたいって気持ちがあるんじゃない?だから感謝されないと腹が立つ。でも考えてみてよ。女性は社会的に男性より収入が低いことが多いし、美容代だって男性の何倍もかかってる。それなのに、デート代まで折半って言われたら、『この人、本当に私に興味あるの?』って思っちゃうわ」
健太は深く息を吸い込みました。「プライドの問題じゃないんです。相互性の問題なんですよ。僕が嫌なのは、一方的な関係性なんです。例えば、僕が食事代を払ったら、女性が『次のカフェは私が出すね』とか『今度、手作りのお弁当持ってくるね』とか、何か返そうとする姿勢があれば全然違うんです」
「返さないといけないの?それってギブアンドテイクの商売じゃない」
美咲の声が少し大きくなります。「恋愛って、お互いが好きだから一緒にいるんでしょ?男性が女性におごるのは、好きだからでしょ?なのに、見返りを求めるなんておかしくない?私の友達は、彼氏に『この前おごってあげたんだから、今度は君が』って言われて、すごく萎えたって言ってたわ」
健太は少し考えてから答えました。「見返りじゃなくて、思いやりなんです。僕の友人にこんな経験があるんです。彼は35歳で、当時付き合ってた女性に毎回おごってたんですけど、彼女は一度も『ありがとう』って言わなかったらしいんです。それどころか、彼が『今月ちょっと出費が重なって』って話したのに、高額な海外旅行に行こうって誘ってきたそうです。彼、結局その関係終わらせましたよ」
「それは極端な例でしょ」
美咲は少し語気を和らげながらも反論します。「確かにそういう女性もいるかもしれないけど、全部の女性がそうじゃない。私だって、男性に全部払ってもらって当然なんて思ってないわ。でも、初デートとか、まだお互いのことをよく知らない段階で『割り勘で』って言われると、『この人、私のこと大事にする気あるのかな』って不安になるの」
健太は頷きました。「その気持ちは理解できます。でも、男性側にも言い分があるんです。僕の後輩にこんな話があって。彼が22歳の時、初デートで緊張しながらもおごったんですって。そしたら女性が『え、これだけ?もっと良いところかと思ってた』って言ったらしくて。彼、その瞬間に好きな気持ちが冷めたって言ってました」
「言い方の問題ね」
美咲が少し考え込みます。「確かに、それは失礼だと思う。でも男性も、おごるなら気持ちよくおごればいいのに。『おごってやった』みたいな態度を取られると、こっちも申し訳ない気持ちになっちゃう。この前、合コンで知り合った男性とご飯行ったんだけど、会計の時に『今回は俺が出すから』って恩着せがましく言われて、すごく居心地悪かったわ」
「それは確かに嫌ですね」
健太も同意します。「でも、男性がそういう態度になるのって、過去に嫌な経験があるからかもしれないですよ。僕の知り合いで、デート中ずっと自分の話ばかりして、男性の話を全然聞かない女性と食事した人がいるんです。彼、『これじゃまるで接待だ』って言ってました。おごるって行為は、お互いの時間を共有することの一部だと思うんです。それなのに、一方的にしゃべられて、最後に支払いまでするって、やっぱり虚しくなりますよ」
「でも女性は、男性に選ばれるために必死なの」
美咲は真剣な表情で続けます。「私たちは、デートの何日も前から準備してる。髪の毛サロン行って、ネイルして、新しい服買って。それって全部、『この人に可愛いって思われたい』っていう気持ちからなの。その努力を男性は分かってくれてるのかな?だから、デート代くらいは男性が出してくれてもいいんじゃないかって思っちゃう」
健太は静かに答えました。「その努力は素晴らしいと思います。でも、それって『おごってもらうための投資』なんですか?僕は、お互いが自然体で会える関係が一番だと思ってるんです。僕の友人で、収入が高い女性と付き合った人がいるんですけど、最初は彼がおごってたらしいんです。でも、ある日彼女が『今日は私が払うね』って自然に言ってくれた時、彼はすごく嬉しかったって言ってました。それって、対等な関係だからこそ生まれる気持ちじゃないですか」
「対等って何?」
美咲が少し挑戦的に問います。「社会的に見たら、まだまだ男女は対等じゃないわよ。給料だって違うし、昇進のチャンスだって違う。それなのに、デート代だけ対等にしようっていうのは、都合が良すぎない?」
健太は深く考えてから答えました。「社会的な問題と、二人の関係性は別だと思うんです。確かに、社会全体で見れば不平等はまだあります。でも、だからといって個人的な関係でも『男性が全部負担すべき』っていうのは、逆に男女の関係を固定化してしまうんじゃないでしょうか。僕が本当に嫌なのは、『男なんだから払って当然』っていう決めつけなんです」
「じゃあ、感謝すればいいわけ?」
美咲が尋ねます。「『ありがとう』って言えば、男性は満足するの?」
健太は首を横に振りました。「言葉だけじゃなくて、気持ちの問題なんです。例えば、僕が43歳の時に──いや、違った、38歳の時に付き合ってた女性がいたんですけど、彼女は僕が食事代を払った後、必ず『今日はごちそうさま。すごく美味しかった。楽しい時間をありがとう』って目を見て言ってくれたんです。それだけで、『また彼女を喜ばせたいな』って思えたんですよ」
「それって、結局女性に演技させてるだけじゃない」
美咲は少し呆れたように言います。「男性の機嫌を取るために、感謝の言葉を言わないといけないなんて、なんだか疲れる。本当に好きなら、自然とおごりたくなるものじゃないの?」
健太は静かに答えました。「演技じゃなくて、本心から感謝できる関係が理想なんです。僕だって、好きな人には自然とおごりたくなります。でも、それが『当然』だと思われた瞬間に、気持ちが冷めるんです。僕の知り合いで、女性に『あなたの給料なら、月に一回くらいしかおごれないわよね』って言われた人がいるんですけど、彼はその場で恋愛感情が消えたって言ってました」
「それは確かにひどいけど」
美咲も少し表情を和らげます。「でも、男性だって無神経なこと言うじゃない。『今日は割り勘ね』って急に言われたり、『最近の女性は自立してるから』って、おごらない理由を正当化したり。そういうの聞くと、『あ、この人は私に興味ないんだな』って思っちゃう」
二人はしばらく沈黙しました。
健太が口を開きます。「結局、大事なのはバランスなんじゃないでしょうか。僕は、おごること自体は全然嫌じゃないんです。でも、一方的な関係は嫌なんです。お互いが思いやりを持って、感謝し合える関係が理想だと思います」
美咲も頷きました。「私も、全部おごってもらって当然とは思ってないわ。でも、男性にも女性の立場を理解してほしい。私たちだって、デートに向けてお金も時間もかけてるの。その上で、『今日はごちそうさま』って素直に言える関係が一番だと思う」
客観的な結論として
この対談から見えてくるのは、デート代問題の本質は「お金」ではなく「相互の尊重」だということです。男性側の主張には一理あり、一方的におごられることを当然視する態度や、感謝の気持ちを示さない姿勢は、確かに関係性を損なう要因となります。特に、相手の経済状況を無視した要求や、見下すような言動は、性別に関係なく避けるべきでしょう。
一方で、女性側の主張も無視できません。社会的な賃金格差や、デートに向けた準備の負担は現実として存在します。また、「おごる」という行為を好意の表現として捉える文化的背景も考慮すべきです。
最も健全な関係は、どちらか一方が常に負担するのではなく、お互いの状況を理解し、自然な形で支え合える関係でしょう。「今日は僕が」「次は私が」と、無理のない範囲で交互に負担したり、お金以外の形で感謝を示したりすることで、対等で温かい関係性が築けるのではないでしょうか。
結論として、「男性が全ておごるべき」でも「完全に割り勘にすべき」でもなく、二人の関係性や状況に応じて柔軟に対応し、何より相手への感謝と尊重を忘れないことが、最も大切だと言えるでしょう。
コメント